こんにちは、SAATです。

今回ご紹介する内容は、千葉県にお住いのS様からのカスタム依頼です。
カスタム内容は、KRYTACのTRIDENT MK2 CRBにGATEのTITANと秒間20台後半のDSGを使ったハイサイクル仕様です。

当店では他店ご購入の銃の持込みはもちろん、パーツの持込みでの作業も行っております。
今回はオーダーカスタムで、持込みパーツもてんこ盛りです。
カスタムの内容を煮詰める段階で、「ご準備なさったパーツが不適合な場合は、当方にて類似の別の商品を組み込みますのでご了承ください」とお伝えした上で、本体とパーツを送っていただきました。

ご友人にKRATACが超好きな方がいらっしゃるそうで、その方と話し合ってパーツを決められたそうです(笑)
パーツを紹介しておきますね。
・GATE TITAN スタンダードVer.2用アドバンス
・SHS DSG、専用タペットプレート
・LayLax KRYTAC専用ノズル
・LayLax ハードピニオンギア
・レトロアームズ DSG専用ピストン
・SLONG シリンダーヘッド
・DCI Guns ピストンヘッド
・ORGA 8mmメタル軸受
・マグプルPTS EPG-C 電動ガン用グリップ
・J-ARMAMENT 強化ギアセット 13:1
というラインナップとなっております。

色んなメーカーの商品を組み込むと、相性が悪く性能が発揮できない事があるので、擦り合わせ等の加工が必要な場合が多々あるのですが、今回はどの程度の加工が必要か正直心配です(^_^;)
S様がご購入なさったパーツがムダにならないよう、ご希望通りのカスタムに仕上げたいと思います!

では分解していきたいと思いますが、この銃は分解された可能性があるので、完全な純正ではない部分があるかもしれません。
その点はご了承ください。

まずは六角レンチでビスを緩めロックピンを抜きます。
このピンが優れ物(すぐれ者ぞと~街中さ~わ~ぐ~♪)で、締め込むことでこのようにズレが生じアッパーとロアのガタつきをなくす設計になってます!
ピンを抜いたら、前後にずらすことでアッパーとロアが分離します。
次に、ストックチューブの奥にあるビスを外しストックを外します。
次はグリップです。
底蓋の2本のビスを外し底蓋を取ったら、配線を抜いてモーターを取り出します。
グリップの奥にある2本のビスを外し、グリップを抜き取ります。
モーターは東京マルイの強力セレブモーター『サマコバモーター』に交換されていました。
サマコバはマジパない磁力なので、ちょっと油断してると色んな物を引っ付けたがるので、作業中はこんなふうに隔離してます(笑)
セレクターがアンビになっているので、本体右側のセレクターを外します。
ビスの頭をナメちゃったみたいですね。
マイナスが使えるように、横溝っぽく彫られてました。
マグキャッチ、ボルトリリース、リアのロックピンも外します。
黄丸のピンですが、今回は本体右側から左側に向かって打ち抜きましたが、新品箱出しとは違うかもしれません。
ここまで分解するとメカボックスが抜き取れます。
ここで大切なポイントです!
セレクターをセミの位置、もしくはセミのちょい手前くらいの位置にしておかないとメカボは抜けません!
ムリの取り出そうとして壊さないように気をつけましょう。
はい取れました(^o^)/
ダミーボルトを外します。
ボルトリリースのパーツを外します。パーツの名前がわかりません(笑)
スプリングガイドを抜いて、スプリングも抜き取ります。
いや~、やっぱりQDタイプは楽でいいなぁ(^_^)ニコニコ
ここまで分解したら、メカボックスを分解できる状態です。
10本のビスを外します。
メインのスプリングを抜いてるので、基本的にビヨーン!となることはありません。
では、オープン!
そんなに使ってないからなのか、きちんとメンテしてるからなのか、ぼちぼちキレイな状態です。
問題はここからです。
KRYTACのメカボにTITANを組み込むためには、メカボの中を加工しないといけません。

メカボ内の全てのパーツを取り除き、ざっと洗浄します。
どうせ削りカスがたんまりと出るので、この時の洗浄は適当です。
「これより我、削りに入る!」
店長削る!更に削る!!ひたすら削りまくるー!!!(立木文彦さん風に)
表も裏もしっかり削らないと、基盤が傾いてギアに接触したりセンサーが正常に反応しなかったりという事になりかねません。

途中ちょっと一服して( ´△`)y-~~ぷはぁ・・・まだまだ削るぜー!!(ART継続時のよくあるセリフ風)

スパーギアですが、準備してもらってたJ-ARMAMENTのギアが13:1で使用できなかったので、標準のギアを使用しました。
軸受がボールベアリングならシム調整いらずのスプリング式のままでもいいのですが、今回はメタル軸受に交換してるのでスプリング式だとテンションのせいで摩擦が大きくなり負荷が増えるので、今回はカラーをワンオフ作製し通常のシム調整を行いました。(見えない所のオシャレ

ベベルギアについては、形状とギア鳴りを考慮し、マルイの次世代用のベベルを使用しました。
本来ならTITANはドライグリスの使用を推奨しておりますが、今回は依頼者様のたってのご希望で、ウェットタイプのグリスを使うことになりました。
もちろん超極薄で塗り、いったんギアとモーターを取り付け空回しさせ、グリスの飛散がないか確認してから次の作業に進みます。
さーてメカボの削りやシム調整等々、準備が整ったのでようやくTITANの組み込みに取りかかれます。
いったん基盤、ギア、トリガーを組んでセンサーチェックしてみたら、トリガーセンサーに不具合がありました。
センサーの1から5まで正常に反応するように、形状の成形とストローク幅の調整を行います。
写真では組みあがってますが、タペットプレートの動きがかなり渋かったので、ここでも削り作業が入ってます。
夢中になって調整してたら、写真撮るのを忘れてました(笑)

KRYTACのメカッボクスは組みやすくていいですね。
逆転防止ラッチはメカボ側に軸があるタイプなので『ポロッ』と外れる事はないし、トリガーもその位置を保ってくれてます。
再度センサーチェックです。
トリガー、セレクター、ギアと「オールグリーン!」だったので、レシーバーに組みモーターとグリップを取り付けた状態で動作チェックです。

モーターはピニオンを交換してから組み込みます。
マグプルのグリップは配線の取り回しを工夫したくらいで、特に大きな加工は必要なく取付可能でした。
この時点で動作の異常も無かったので、キャリブレーションと各種設定を済ませます。

動作に異常はありませんでしたが、DSGの場合セミとフルで初速が大きく違う事が多々あります。
サイクルが早くなればなるほどその現象は顕著に表れますが、今回はどうなんでしょうか・・・。

アッパーを取り付け実際に試射してみると、初速は0.20gで約92m/s、0.25gで約83m/sと狙い通りの数値でしたが、フルで撃つと10m/s程度下がってしまいます。

やっぱりか・・・(ノ_<。)
タペットプレートの調整のために再度分解します・・・のついでにチャンバーも分解します。

今回は「特に問題が無ければチャンバーはノーカスタムでいいです」という事だったのですが、あまりにもガンガン曲がるので、簡単に清掃して組み直しました。
その後、何度か『分解→タペプレ調整→試射』を繰り返し、ようやく安定領域に入り完成です。
最終的は数値はこうなりました。

【カスタム内容】
・TITAN+DSGのハイサイクルカスタム
・モーター:東京マルイ サマリウムコバルトモーター

【初速、サイクル】G&GバイオBB弾使用
・0.20g 約92m/s

・0.25g 約83m/s
・30.6発/秒(7.4vリポバッテリー)

【感想】
KRYTACにTITANの組み込みは、削る作業が大変ですね(笑)
更に今回はDSGの組み込みもあったので難易度は高めのカスタムでしたが、完成してみると依頼者様のご希望通り『ビンビンのレスポンス&ハイサイクル仕様』になり、「キレッキレですね!」と大変喜んでいただくことができ私も嬉しく思っております。

ちなみに11.1vのリポで試射したところ、ノーマルマガジンでは給弾が追い付かず弾速計では正常に計測することができませんでした。
TITANで確認してみると、秒間のサイクルは43発となってました。