こんにちは、SAATです。
今回ご紹介するのは、S&Tの『AS VAL』という海外製電動ガンです。
こちらの銃は、大分県にお住いのO様からご依頼でお預かりしたものになります。
知人から譲り受けたとの事ですが、『動かない』ということで相談にこられました。
銃身部分の大型サイレンサー(中は空洞)の中がバッテリー収納スペースになってるので、根本の左右のネジを外しとりあえずその場で銃身を外してみると・・・
押しつぶされて断線してました(^_^;)
というのも、レシーバー側の配線の出口と、銃身側の配線の入り口がずれてました。
そりゃ線も切れるわ。
おまけに、黒の配線をクッと引っぱったら、レシーバー側からスポッと抜けちゃいました。
どうやらハンダも取れていたようです。

当然そのまま入院決定。
「せっかくなのでゲームで戦(つか)える銃にしてほしい」となり・・・
・ライトカスタム
・ロングレンジカスタム
・シルバー配線換装
・トリガーショートストローク
という内容でカスタムすることになりました。

では、分解を続けていきます。
ハンドガードを前方に押し出します。けっこうキツく入ってました。
その際、赤丸のパーツがポロリするかもしれませんので、失くさないように。
続いて2本のビスを外すと・・・
チャンバー回りとチャージングハンドル回りが取り外せるようになります。
次はメカボックスを取り出す準備です。
ストックの根元のビスを外します。
グリップ底部のネジを外し、グリップを取り外します。
はい、こんな感じです。
セレクターレバーは、支点部分がネジになってます。
このピンは左側から打ち抜きます。
モーターを外せばメカボックスを取り出せるようになります。
続いてメカボックスを分解していきます。
まずはメカボックスの周囲に付いてるのパーツを取り除きます。
次にネジを外します。
では、ご開帳。
なんかヤバそうなグリスの色ですね。
隅っこに溜まってるくらいならいいのですが、これは凄いですね。
洗浄のし甲斐があります(笑)
グリスの粘度はかなり硬かったです。
次は大門団長が開発したショートストロークスイッチを組み込みます。
組み込み自体はさほど難しいものではないのですが、正常に作動しない場合は多少の加工が必要になってきます。
なので、ある程度の知識がないとどこをどう修正すればいいのかわからず、組み立てをストップさせてしまう事になるかもしれません。
ショートストロークスイッチとセクターギアとトリガーを組んだら、手回しでギアを回しながら『きちんとスイッチが跳ね上がってるか』『正しい位置まで戻り、再度トリガーを引いたときに正常に前進するか』の動作チェックです。

今までに10個くらい組み込みましたが、50%くらいの確率で修正が必要でした。
今回はスイッチの他に、トリガーも多少の加工が必要でした。
これは決してこの商品の製品精度が悪いと言ってるのではありませんよ!
マルイの銃でも個体差はありますし、海外製ならほぼ間違いなく修正が必要となるでしょう。

純正部品以外は、多少の加工が必要な場合があることを念頭に置く必要があるという事です。
スイッチが正常に動いたら、導通チェックです。
『トリガーを引いたときに通電してるか』『カットオフレバーが動いてスイッチを跳ね上げたときに、通電が切れるか』です。
電装系は正常だったので、続けて組み上げていきます。
シム調整と可動部分の磨きを終え、メカボックスは完成です。
モーターホルダーをメカボックスに固定した時、ちょっとガタつきがあったので、シムを挟んで固定しました。
セレクターの動きとセーフティのかかりが悪かったので、そこも要加工修正でした。
接点保護の目的で、SBDを取り付けます。
これで一旦メカボックスは終了です。
次はチャンバー回りを分解します。
中は特に何もありません。
420mmの長いインナーバレルが入ってます。
もっと短くして使いたいのですが、銃身の先端でインナーバレルを固定してるので短くできません。
短くしてその後をアルミパイプで銃口先端までもっていってもいいのですが、そうなるとインナーバレルとアルミパイプのつなぎ目付近にバレルスペーサーを設けないといけなくなります。
となると、バッテリー収納スペースが極端に短くなってしまいます。

ということで、今回はバレル長はそのままでセッティングを出していきます。
はい、完成です。
いつものように、コネクター付近はフレキシブルコードにして、配線を収納しやすくしてます。
はい、完成です!
数値的には・・・
0.20gでノンホップ/適正ホップ共に約91m/s
0.25gだとノンホップ/適正ホップともに約82m/s
といったところ。

ノーマルのトリガーストロークが長かったので、トリガーのショートストローク化とシルバー配線のおかげで、体感的にもかなりレスポンスは向上していて、予想以上の仕上がりに本人様も大満足(^o^)

欲を言えばモーターも交換したかったところですが、もう一挺お預かりしていてそっちにも予算を割かれてしまうので、とりあえず今回はここまで。

使っていくと欲が出てくるので、その時はモーターですね。