こんにちは、SAATです。
今回ご紹介する銃は、東京マルイのスタンダード電動ガン『SIG552』です。
大分県にお住いのK様からのご依頼でお預かりした物になります。
セミオートのキレを良くしたいという事で、以前から気になっていた『電子トリガー』を入れようと決意はしたものの、色んなのがあってどれを選んだらいのか・・・との事。
TITANの性能が素晴らしいのは分かってるのですが、財布に与えるダメージが大きいので、私もおすすめはしますがかなり気が引けます(^_^;)

せっかくなのでTITANを入れたデモ機(次世代SCAR-H)を少し触っていただいたところ、とても気に入っていただけたのでTITANに決定となりました。

ここで問題です。
このSIGにはVer.3のメカボックスが使われてるのですが、Ver.3といえばやっぱり『AK系』ですね!
次に『G36系』や『ステアー』といった感じです。

なのでTITANも、セレクターパターンが3タイプから選べるようになってます。
しかし、これを見てお分かりの通り・・・

SIG系のセレクターモードの設定がないんです!!

「まぁでもVer.3だし、どうにかなるだろう」と、カスタム依頼を受諾。
これがいばらの道への入り口でした(泣)

では、分解作業に入りましょう!
まずはハンドガードを外します。
レシーバーを分解する前に、ヒューズは外しておきましょう。
次はレシーバーを分解していきます。
左右にネジがあります。
ストックを折り、メカボックス後端を固定しているビスを外します。
マガジン挿入口にある2本のビスを外します。
給弾口を覆っているカバーを開けるのですが、これがなかなか手こずります。
カバーを開けることができたら、レシーバーが分割できます。
その際、配線に気をつけてください。
側面にある2本のビスを緩めると、隙間ができて配線が抜きやすくなります。
グリップの底蓋を外します。
中のモーターを取り出したら、更に奥のビスを外しグリップを取り外します。
メカボックスを取り出すまで、もう一息です。
SIGのモーターは、珍しいミドルサイズのシャフトです。
右側のセレクターです。
イモネジを緩めればセレクターレバーが外れます。
その下のパーツも外します。
左側のセレクターです。
同じ手順で分解しますが、こちら側には小さなスプリングとピンがあります。
ここまで分解したら、メカボックスが抜き取れます。
簡単に外せる物は外します。
右側です。
こちら側も、先に外せる物を外してから分解していきます。
左右共に、パーツの位置や向きは確認しておきましょう。
ようやくメカボックスを分解するところまで来ました。
けっこうキレイな状態でした。
今回入れる電子トリガーは『TITAN』なので、しっかり洗浄します。
通常のカスタムのときでも、しっかり洗浄してますよ!いやマジで!
ベベルギアのラッチの歯が4枚だったので、より正確な動作となるよう、10枚歯のベベルに交換しました。
シム調整も終わり、とあえずセンサーチェックです。
トリガーセンサーOK、ギアセンサーOK、セレクターセンサー及び切り替えポイント・・・NGです!

切り替えポイントが正常に作動していません!
これならどうだ?、ならこれは?、これは?、これは?・・・・・・・・・・
いやぁ、こんなにエラーが連発するとは思いませんでした(^_^;)
何とかキャリブレーションが終わり、組み立てにかかります。
今度はモーターも取り付けて、最終チェックです。
プリコックやバーストなど、正常に作動するかをチェックします。
オールグリーン!最終チェック終了!
ただ、どうにもならなかったのが、セレクターレバーのフルの位置です。
本来は真下を少し通り過ぎた位置がSIGのフルの位置なんですが、そこまで動かすと正常なフルの位置じゃなくなるので、物理的なストッパーを付けました。
今回は初速アップ等のカスタムは無かったので、O/Hしただけでスプリング等はノーマルのままです。
数値の変化は、下に記載しております。
近中距離の命中精度を上げてほしいという依頼内容もありましたので、最後にチャンバーのカスタムと弾道調整を行って終了です。

~数値~
【初速 / サイクル】

0.20g お預かり時:83.4m/s → カスタム後:87.4m/s
0.25g お預かり時:72.7m/s → カスタム後:76.5m/s

お預かり時:14.2発/秒 → カスタム後:17.7発/秒 

スプリングはノーマルとほぼ同等のテンションの物を使用。
基本作業のグリスアップと気密処理で4m/s程度上がったようです。

驚くべきは、サイクルですね!
秒間3.5発も上がってます。
間違いだろうと何度か計測したのですが、やっぱりこのくらいの数値になるので間違いではなさそうです(笑)